アルコール依存症になりやすいタイプ

アルコール依存症とは、長期間に渡って、継続的にお酒を飲酒した結果、アルコールに対し精神的な依存や身体的な依存をきたす精神疾患です。アルコール依存症になると、常にお酒が飲みたいという欲求を体と脳が感じ、自分自身ではその欲求やそれに伴って起こる行動などを抑制することができなくなります。アルコール依存症は、一度なると完治することはなく、障害に渡って付き合っていかないといけません。また、精神的な疾患、生活習慣病、自殺などはアルコール依存症の方が多いです。

アルコール依存症になる前に、早期の対策や自身で認識することが必要になります。そのために、どのような人がアルコール依存症になりやすいか、知る必要があります。

潜在的なアルコール依存症

毎日何杯も飲む人もいれば、年に一回の人もおり、お酒の飲み方は千差万別です。日本の人口が約1億2000万人の中で、アルコール依存症は日本に約100万人で、人口の0.8%です。定期的にアルコールを摂取しており、アルコール依存症予備軍は約900万人で、人口の7.5%です。そのほかにも、生活習慣病や健康に害する程度にはお酒を飲んでいる人たちが約1,000万人で、人口の8.3%です。この約1,000万人はすぐにアルコール依存症にはなることはないですが、注意が必要です。ここの層は身近の人にもたくさんおり、本人が自覚していない場合も多く、アルコール摂取に対する対策などができていないです。

つまり、アルコール依存症予備軍からアルコール依存者を合計すると約2,000万人おり、人口の16.6%です。比率にすると少ないかと思いますが、人数にすると多く、東京都と埼玉県を合計した人数になります。

お酒にハマりやすい人のタイプ

お酒のメリットデメリットを頭で理解した上で、性格的に飲酒を自己管理できる人と、自己管理ができない人がいます。アルコール依存症になる人も性格の特徴があります。

凝り性、ハマりやすい性格

凝り性やハマりやすい性格の人は衝動をコントロールするのが苦手です。そのため、アルコールに限らず、依存症になりやすいと言われています。一度決めたことに対する集中力は素晴らしいこともありますが、視野が狭くなり周りのことが見えなくなったり、聞く耳を持たなくなったりします。

完璧主義者

飲酒の量の管理ができない方やお酒で失敗する方は、「意志が弱い人」と考えられますが、そうではありません。むしろ完璧主義者の方が禁酒への取り組みなどに失敗することがあります。それは、こだわりが強く、自身が納得する禁酒のメリットを全て把握しないと気が済みません。さらに完璧主義者は「自分の考え方が全て正しい」と考えている人も多く、医者や家族からの注意にも耳を傾けにくいです。
完璧主義者はプライドが高い方も多いですが、そのエネルギーをポジティブに変換して、禁酒に取り組めばすぐに成果がでることもあります。

真面目な優等生タイプ

親が厳しかったり、勉強ばかりしていた人が大学生になったタイミングで、性格がガラリと変わることがあります。子供の頃にやんちゃをしていなかった反動が大人になって、お酒によって解放されます。
また、子供のころに優等生だった人は周りに気を使ったり、配慮する生活をしてきており、それが大人になっても続いています。子供の頃から人から頼られることも多く、大人になってもそんな自分を演じる必要があります。大人になると、いろんなしがらみなどもあり、子供のとき以上にストレスに感じることもあります。本音を抑えて、大人になっても優等生や調整役をやっていると、心身への負担もかかり、アルコール依存症になりやすい傾向にあります。

このようにアルコール依存症になりやすい性格などを把握して、早めに予防することで悪化することを防げます。