ソバーキュリアス、ソバキュリアンとは?お酒を飲まない生き方

前日にお酒を飲みすぎて二日酔いになった日には「もう二度とお酒を飲まない」と誓ったものの、数週間後には友人や同僚と居酒屋でアルコールを注文してしまいます。このようにお酒を飲む事が好きな人にとっては、禁酒した生活を想像するのは難しいかもしれない。しかし、「ソバーキュリアス」「ソバーキュリアン」という言葉が世界中で流行りつつあることから、アルコールを飲まないライフスタイルへの願望が高まっています。

ソバーキュリアスとは

ソバーキュリアスは英語でsober curiousと書きます。soberはしらふを意味し、curiousは好奇心を意味します。つまり、sober curiousはアルコールのない生活を探求することです。禁酒とは異なり、お酒を飲むときも健全に意識的に飲みます。お酒の量を減らしたいけれど、たまには気軽な一杯を......という気持ちの狭間にいる人に適切な価値観です。
同時に、自分自身の飲酒習慣やアルコールにまつわる生活を意識し、自覚することでより良い人生を送って行くことでもあります。飲酒せずに社交やお祝いをしたり、ストレスに対処したりすることにオープンになるような人々です。ソバーキュリアスの価値観に沿って生活する人のことを「ソバーキュアン」と呼びます。

ソバーキュリアスの背後にある考え方は、人々が自分の飲酒量をコントロールできるようになり、アルコールが精神的および肉体的に与える影響をより認識できるようになることです。このアプローチにより、人々は必要に応じて時折アルコール飲料を楽しみながら、摂取量を減らすことができます。

ソバーキュリアス世代

お酒を飲む多くの人にとって、20代前半や大学時代の頃は大量にお酒を飲んで失敗した経験があると思います。しかし、2000年代に生まれたミレニアム世代は、その経験や習慣を変えようとしており、アルコール摂取量を減らしたり、完全に断ったりする若者が増えています。また、アルコールとの関係性や身体的または精神的な影響を詳しく調べる傾向にあります。

では、なぜミレニアム世代はソバーキュリアスの考え方に共感しているのでしょうか?

  • ミレニアム世代はアルコールに関しては年上の世代よりも健康への影響をより意識しており慎重である。若者にとって、アルコールは「精神的な弱さ」「不安」「混乱」を連想させます。
  • 健康上のリスクと同時に、ミレニアム世代は酔っぱらうというイメージを気にしています。社交や飲酒に出かける際、自分のイメージが常に頭の片隅にあり、それがお酒により壊れることを危惧しています。
  • ミレニアム世代は、人生の優先順位において、社交や他社の価値観よりも自分自身の価値観を重視しています。
  • しらふの時の人間関係こそが本物で、酔っ払っている時の友情や恋愛感情は偽物と感じます。しらふで自身をコントロールできる時に、真の人間関係ができると考えています。

要するに、ミレニアム世代は酔っぱらいをカッコよくない、ダサいと感じています。

ソバーキュリアスは世界的なトレンド

ミレニアル世代からまた新たな健康トレンドが生まれたと驚く人は多いかもしれませんが、アルコールと社会の関係の変化と時代の流れは否定できません。

また、ノンアルコールや低アルコール製品に対する消費者の需要が高まるにつれ、アルコール業界にも変化が生じている。現在では、ほとんどのコンビニや居酒屋でもノンアルコールの商品が販売されています。

ソバーキュリアスによって、個人は自分の生活からアルコールを減らすか排除することのメリットを熟考するようになります。それは、お酒を飲み続けるトリガーを理解するとともに、いつ、どこで、どれだけの量を摂取するかについて意識的に意思決定するように変化しています。

ソバーキュリアスのメリット

ソバーキュリアンになり、お酒を健全的に飲みながら、アルコール摂取量を減らすことは、身体的または精神的な健康に多くの利点をもたらします。

  • 睡眠の質の向上
  • 透明感のある肌
  • 減量
  • 活力やエネルギーの増加
  • 精神的な安定
  • 疾患のリスクの軽減

アルコールは肝臓病や糖尿病などの身体的疾患やうつ病などの精神的疾患にも大きな影響を与えます。アルコールを摂取量を減らすことが、これらの治療の一歩目とも言われています。

ソバーキュリアスになるためには

ソバーキュリアスは、必ずしも完全な断酒を約束するわけではなく、アルコールを制限し、快適なライフスタイルを送ることです。ソバーキュリアスになりたい人の役立つリソースや戦略が多数あります

1. 自分のアルコール摂取パターンを認識する

ソバーキュリアスを実現するためには、自身のアルコールの摂取の現状を把握することから始めましょう。自分の飲酒習慣を理解し、それに向き合うことが不可欠です。なぜお酒を飲むのか、お酒を飲むと身体的・精神的にどのような気分になるのか、なぜお酒がやめられないのか?これを飲酒中と飲酒後にそれぞれ紙に書き、しらふの時に読み返してみましょう。習慣からなのか、社会的プレッシャーからなのか、それとも対処法としてなのか。
自分の独特の飲酒パターンとその影響を認識することで、個人は自分のアルコール使用について情報に基づいた選択を行うことができます。

2. アルコール消費量を減らすための計画を立てる

あなたのアルコール摂取量の制限するための計画を作成します。いつどのくらいの量を飲むかを決め、アルコールが仕事や人間関係などの日常生活に過度に影響を与えないように制限を設けます。大量のお酒を飲むのが好きな人は、ノンアルコール飲料などを選ぶと効果的です。アルコールを中心にしない選択肢を検討し、カレンダーに書き込んで試してみましょう。

3.仲間を見つける

友人や家族と過ごす時間にはアルコールが含まれていることが多いので、これが一番難しいかもしれないです。お酒を飲んでいるのをお茶に変える、レストラン行くのをカフェに変える、お酒好きのコミュニティからお酒の飲まないコミュニティに変えます。

ソバーキュリアスのイベントやコミュニティやプラットフォームを探して、活動を通して、別のコミュニティを見つけることもできます。同じ考え方を持つ人たちで豊富なガイダンス、モチベーション、仲間意識、励まし、経験の共有を提供し、ソバーキュリアスになるために管理しやすく充実したものにしてくれます。

4. アルコールフリーの活動をする

ソバーキュリアスなライフスタイルへの移行には、単にアルコールを避けるだけではありません。それは、アルコールのない、やりがいのある充実した体験に積極的に取り組むことです。飲酒に関連した活動をアルコールを含まない代替活動に置き換えることで、よりバランスの取れた楽しい生活への道が開かれる可能性があります。

ハイキング、ヨガ、チームスポーツ、映画鑑賞会、ボードゲームの集まり、ボランティア活動などお酒の伴わない活動はたくさんあります。身体活動を続けると、全体的な幸福感が高まるだけでなく、つながりや仲間意識も育まれます。