適正飲酒のススメ・手引き
飲酒は心身の疲れを癒やしリラックスし、人間関係やコミュニケーションを円滑にしてくれます。また、祝い事やイベントでは欠かすことのできないアイテムになっています。
飲酒のポジティブな面がある一方で、飲み方や飲む量を間違えると、心身の健康や安定に影響を与えます。
お酒の特徴と効用、マイナス面を正しく理解し、健康的に適正飲酒をすることで楽しくお酒と付き合うことができます。
お酒の効用
お酒は昔から「百薬の長」と呼ばれており、精神面でも様々な効用があります。適量な飲酒はストレスを軽減するのに役立ち、またストレスが原因で発症する病気の予防にも役立っています。また、適正の飲酒は、血管を広げて血液の循環を促進することで、血行が改善され、身体が暖かくなり疲労回復にも効果があると言われています。
欧米のデータですが「適正な飲酒をする人」「全く飲まない人」「大量に飲む人」の中では、「適正な飲酒をする人」の死亡率が最も低く、それはストレス発散ができているため、病気の予防ができていると考えられています。
酔いの仕組み
「酔い」の程度は、脳内のアルコール濃度によって決まり、それを判定するのが血中のアルコール濃度です。酔うと脳の中枢神経が抑制され、本能的な部分が活発に動きます。
血中濃度と酔いの状態は下記のように区分できます
- 1.爽快期
- 血中濃度: 0.02〜0.04%ç
- 酔いの状態
- 爽やかな気分になる
- 皮膚が赤くなる
- 愉快になる
- 判断力が少し鈍化する
- 2.ほろ酔い期
- 血中濃度: 0.05〜0.10%
- 酔いの状態
- ほろ酔いの気分になる
- 手の動きが活発になる
- 理性が失われる
- 体温が上がる
- 脈が早くなる
- 3.酩酊初期
- 血中濃度: 0.11〜0.15%
- 酔いの状態
- 気が大きくなる
- 声が大きくなる
- 感情的になりやすい
- 少しふらつく
- 4.酩酊後期
- 血中濃度: 0.16〜0.30%
- 酔いの状態
- 真っ直ぐ歩けなくなる
- 同じことを繰り返す
- 呼吸が乱れる
- 呂律が回らない
- 吐き気が起きる
- 5.泥酔期
- 血中濃度: 0.31〜0.40%
- 酔いの状態
- 立てない
- 意識がほぼない
- 会話ができない
- 6.昏睡期
- 血中濃度: 0.41〜0.50%
- 酔いの状態
- 意識がない
- 呼吸がゆっくりと深い
適正飲酒とは
アルコールの約80%は小腸で吸収され、胃の中に食べ物があると胃壁に食べ物が障壁となり、胃をアルコールから守り、アルコールが徐々に省庁へと進むため、アルコールの吸収速度が遅くなり、血中アルコール濃度が急激に上がることはありません。空きっ腹だと酔いやすいと言われるのは、このような体の仕組みのためです。
二日酔いの原因
お酒を飲みすぎた翌朝に頭痛や気持ち悪いなどで深いな症状になります。これが二日酔いで、大量に飲酒することで、肝細胞で有害物質が十分に処理されれないことと、お酒による胃や腸の機能不全、脱水などのさまざまな要因によって発生します。二日酔いには向かい酒がいいと考える人もいますが、ダメージを重ねるだけですので、控えましょう。寝る前に大量の水を飲むだけで、翌日の二日酔いの症状の程度が軽減できます。
アルコール依存症
アルコール依存症は生活が乱れている人やだらしない人に多いと思われますが、意外と完璧主義者や身近な人でもなりうる可能性があります。お酒が飲まないと冷静に保っていられず、手足の震えなどの発症し、心身ともに大きな影響を与えます。そのうち仕事での人間関係や家族とのコミュニケーションなどがどんどんとうまくいかなくなり、どんどんと悪循環に陥っていきます。
アルコール依存症の治療法は断酒が最も近道で効果的と言われています。これは一人の努力だけでは難しく、医者や専門家の助言をもらいながら、家族や友人のサポートや協力してもらいながら、改善する必要があります。
適正飲酒の10箇条
アルコール健康医学協会が定めた、正しいお酒の飲み方は下記の10項目です。
575のなのでテンポ良く読むことができます。
- 談笑し、楽しく飲むのが基本です
- 食べながら、適量範囲でゆっくりと
- 強い酒、薄めて飲むのがおすすめです
- 作ろうよ、週に二日は休肝日
- やめようよ、きりなく長い飲み続け
- 許さない、他人への無理強い一気飲み
- アルコール、薬と一緒は危険です
- 飲まないで、妊娠中と授乳期は
- 飲酒後の運動・入力 要注意
- 肝臓など、定期検診忘れずに
こんな飲酒は問題
未成年の飲酒
10代から飲酒をすると脳細胞の成長に影響や肝臓膵臓への機能障害を起こす可能性が高いです。また、性ホルモンのバランスを崩したり、集中力の欠如など心身ともに成長に影響が出るため、法律で未成年の飲酒が禁止されています。
現実として、20歳未満の飲酒は社会生活の悪影響になっており、暴力行為や学生生活への影響が出てきてます。未成年の初めての飲酒経験は、冠婚葬祭で親戚に勧められる、または誕生日などの時に親から勧められるが大半です。大人にとって一回きりと思っていたことが、子供にとっては大きなきっかけになり、未成年の飲酒習慣が始まってしまいます。まずは大人が自制をして、子供を悪い方向に巻き込まないようにしましょう。
妊娠中・授乳期の飲酒
妊娠中にお酒を飲むことは、赤ちゃんにお酒を飲ませていることと同じことです。妊娠中にアルコールを摂取した場合摂取した場合は、胎児性アルコール症候群になる可能性があり、発育障害、知能障害などの症状が発症します。
また、授乳中も母乳を通じて、赤ちゃんにお酒を飲ましていることになります。アルコールは母乳に移行しやすくいため、授乳期の飲酒は絶対にやめましょう。
飲酒運転
飲酒をすると中枢神経が麻痺し、バランス感覚や運動能力の低下、視野が狭くなる、理性や自尊心が低下など、運転をする上で必要な機能が全て失われます。そのため、飲酒時の運転は法律で禁止されいます。「お酒が強いから問題ない」「一杯しか飲んでないから運転してもOK」は決して許されず、一口でも飲んだら運転するのは絶対にやめましょう。
飲み会で車で来ている人がお酒を勧めたり、黙認するのもやめましょう。
イッキ飲み・飲酒の強要
大学生のサークルなどで、その場の雰囲気を盛り上げるために、イッキ飲みなどをする場合があります。しかし、イッキ飲みは生命の危険にも関わるので絶対にやめましょう。大量のアルコールを一気に摂取すると、肝臓のアルコール分解速度が追いつかず、急性アルコール中毒になることがあり、ひどい場合は死にいたる可能性があります。
また、お酒が弱い人へ飲酒を共有するのはやめましょう。人それぞれお酒の強さは違いますし、体調によっても飲める量が異なります。
高齢者の飲酒
高齢になり体力の衰えとともに、アルコールの代謝機能も低下します。若い時よりも酔いやすくなり、また体も衰えているため、転倒事故などにも繋がります。
若い時から継続的に飲酒を続けていると、内臓障害が起きやすく、いろんな疾患に罹る原因にもなります。
お酒と薬の併用
お酒と薬を併用すると、いろんな作用が出るため、とても危険です。特に睡眠薬、精神安定剤、糖尿病の薬を飲酒時に服用すると、体内のアルコールの分解が優先され、薬の作用が強まります。
運動前後の飲酒
運動前、運動中、運動後の飲酒は心臓に大きな負担を与えます。また、運動時は発汗作用が活発になるため、脱水症状を誘発します。運動前に飲酒をすると、球技や陸上でもバランス感覚が崩れ、怪我をする可能性も高まります。また、水泳は心臓に二重の負担をかけるため、大変危険です。
入浴前の飲酒
飲酒後のお風呂やサウナに入ると、体に大きな負担がかかります。血圧が上昇して脳卒中や心臓発作の原因となります。少量の飲酒でも、体が温まった状態では血管を拡張させるために低血圧となるので、事故の原因になります。
このように適正飲酒を目指して、周りと協力しながら実現しましょう